夏の終わり

 
 
真夏のピークが去ったねってあの子がわざとらしく言って二人で笑った。
 
夏ももう終わりだねって言われると、なんとも言えない切なさに襲われる。
 
ボロいドアを開けると、つい一昨日までの夏の陽射しを忘れたかのような、生ぬるい風が肌に纏わりついたけれど、上着を取りに戻らないまま出かけた。
 
 
”夏よまだ終わらないで”
 
 
今年の夏の始まりは悲しくて
今年の夏の終わりはやっぱり切ない。
 
誰も私の内側に気付きやしないし
誰も私の心を愛さない
 
今年の夏の終わりは、やっぱり切ない。