夏は一体いつ終わったんだろう。

 

何度過ごしても、いつも曖昧なままに、記憶されずに、いつの間にか夏は終わっている。

 

あんなに愛おしかった季節も、次の季節の空気にすっかり溶け込めば、瞬く間に忘れることができる。思い出すのなんて、最初のうちだけだと知っているのに。何度繰り返しただろう。

 

一年の中で一番、九月が切ない。