私の前からあなたは消えていなくなったけれど、

あなたと並んで過ごすことはもうないのだろうけれど、

あなたのくれた言葉や優しさ、思い出、時間、退屈、あなたを思って流した涙や浴びた光、風、寂しさ、愛しさ、尊さ、苦しみ、哀しみの感情達は、私の血となり肉となり、心に染み渡り、その身体で私は、これからを共に生きてゆくのだと思うのです。

 

あなたがいないということは、あなたがいたということで、私は忘れないけれど、きっと忘れてゆくのです。けれど、私の心の根に、あなたはこれからもずっといて、忘れてしまっても大丈夫なのです。私の知らぬ間に、変わらないものがここにあるのだから。