クラゲ
ドライフラワーを部屋に飾りたい
お風呂に入ってから潜った布団にまだ、煙草の匂いが染み付いている
いなくなったミュージシャン
薔薇は棘があるから好きだったのにな
自分でいいなって全然思ってないものを不意にいいねって言ってもらえると、なんだか救われる様
クラゲ/ミツメ
《君のこと 飽きるほど 溶け合いたい クラゲみたいにさ》
夏の記憶が耳に溶け出して
流れ込んでゆく
”どうしようもない気持ちになったことがある?”
私はyesと答えるけれど、あの子がyesと答えても信じる気なんかないからね。
夜が深まってきた頃に頭の先まですっぽり布団を被ってイヤホンで耳に蓋をすると、簡単宇宙の出来上がり
身体だけがぽっかり浮かぶ
内側に触れて、どうしようもない気持ちになったことのある人しか辿り着けない宇宙
誰にも教えてあげない秘密基地
あの時ああしていれば、こうしていればって、
自惚れてるから言えるんだよ
綺麗な歯並びや 髪を撫でた掌 高くない背
真夜中の大学でおどかされた悪戯な帰り道
部屋に入るまでを見届けてくれた瞳
かわいい笑顔や 空気を撫でただけの言葉を
思い出す
あなただけで涙足りないな
あなたにとって私がどうでもいい存在になった時から、私はあなたを愛していたんだと思います。