雨、土



新生活が始まって、もう直一ヶ月が過ぎようとしている。

無理に無理を重ねて、色々な人と繋がろうと試みたけれど、結局は部屋に帰った時の一人きりの居心地の良さには敵わないと気付いた。

体に良くなさそうな物をたらふく食べて、到底親密になり得ない人間と実のない話を何度も交す。帰り道、雨が降ってきて、グラウンドの土と、雨の匂いが混じって何故か懐かしい気持ちになった。

誰かが楽しいと言った、私には似合わない空間よりも、濡れるからと急いで帰ろうとしたけれど、雨と土の混ざり合ったこの匂いにもう少し包まれていたいと、自転車のペダルを漕ぐ速度を少しだけ落とした帰り道を、私は何度でも愛してしまうんだろうな。



 



新しい生活

 
一人暮らしを始めた。
 
まだ数日だけど、今の所ちゃんと自炊してる。
 
すぐに使わない食材は、早く冷凍しなきゃな。
あるもので、早く使わないといけないもので、献立考えるの楽しいな。美味しく出来て、上手く盛り付けが出来たらもっと嬉しいな。だけど、上手に出来たんだって言える人がいないと、寂しいな。
 
一人暮らしは、快適だけど、寂しさがいつもある。
 
お昼には、陽射しがよく入るこの部屋を好きになれそう。
 
夜は、浅はかで迷惑ばかりかける自分を嫌いになりそう。
 
選べたのに、間違えたんじゃないかって。自分が自分に問いただす。
選んで間違えたのなら、いいんじゃないだろうかって昔の自分が吠え出す。それに、間違ってないよって。
 
幸せになりたい。
幸せにしたい。
 
明日から新しいことが始まって、新しい人達に出会う。
 
晴れた日の午後には、自転車で遠いキャンパスまで走ってみようか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

last kiss

 
街外れにある、小さなフレンチのお店に連れて行ってくれた。ふたりはノンアルコールのスパークリングワインで乾杯した。
 
美味しいフレンチを食べたから
笑みが溢れたんじゃない。
 
切ないねって言葉にしないのは、わざとで、一生の別れを強要しないのは、私もズルイから。気持ちが溢れてこないのは、もうずっと、分かっていたから。
 
夢だと思ってたあなたは、夢なんかじゃなくて、だから私が自分で終わりにしないとダメだった。数え切れないほど交わしたキスもこれで最後。あなたは寂しいと何度も言ったけど、明後日には忘れるよ。撮らなければよかった写真と、美味しいフレンチの記憶を持って、私は旅に出る。貰ったボタン型の抹茶のチョコレートを1枚ずつ味わって食べながら、あなたのことを思い出すんだ。
 
 
涙が、終わりを告げた。
 
 

昨日あったことは、たぶん、ユメ


彼といると、私は生温かいものに包まれている様だ。
次の日のすっかり太陽が昇り切った朝には、夢を見ていた気分になる。

だから、そのうち醒めるんだろう。
起こしてくれるのは、今は未だ誰か分からないけれど。

可愛いワガママと、不満を履き違えて、あなたを疲れさせる。
若さと、未熟を誇示して、あなたを困らせる。

私は喋るとダメ。どんどんダメになる。

夢から醒めるのは、あなたの方かもしれないな。

いつまでもあなたと眠っていたい



友人


明日、久しぶりにあの子に会う。

向こうでの生活や友達の話、旅行の感想、
前会った時に出来たって言ってた恋人のこと、
誰にも話さないようなどうでもいいことも全部、話してほしい。

普段は聞くより話すほうが好きなんだけど、
あの子と会うときは話を聞きたい。
だけど、昔から私ばっかりが喋ってたから、その関係って中々直らないもので、また私ばっかりが喋って、私の話にあの子が顔をくしゃくしゃにして笑ってくれるんだろうな。

好きな音楽の話をしたい。
今年の抱負も話したい。
最近好きな漫画の話も、
将来のことも、
頑張った話も、
嬉しかったことを沢山、沢山
あの子に話そう。






新年

 
明けましておめでとうございます。
色んなことがあった2015年も終わり、
新たな年の幕開け
今年は環境も何もかもガラっと変わるので、どんな年になるのか、想像もつかないなぁ。
 
2016年は、本を出来るだけ沢山読みたい。映画を観たい。新たなモノに触れたいな。
 
小さい頃から本が大好きなあの子にメールしよう。「突然だけどオススメの本を教えて」ってね。
緊張するなぁ。そしたら、感想を手紙で送ろう。なんだか楽しみ。
 
4月でもないのに椎名林檎のギブスを聴いたら、懐かしくって奥の方で心が音を立てずに捩れた。思い出すには早すぎるのかな。
 
ミントグリーンのハードカバーの本を抱えてこの先の森を何処までも進んでいきたい
 
 
 
 
 

大晦日


ここ数日ロキソニンが手離せないでいる。2015年の大晦日。1年を少し振り返ろうと思ったら、このブログ始めてまだ1年経っていないことに驚いた。1年ってあっという間だけど、1日を365回積み重ねると 結構な重みがあるということに気付く。いろんな経験をした。いろんな気持ちを知った。沢山勉強した。そしてそれが実った。憎しみはありあまる程降り積もったけれど、素晴らしい1年だった、ということにしておこう。嘘ではないさ。

紅白でBUMPを観られて1年を締めくくれるなんて、やっぱり2015年は良い年だった。来年も良き年でありますように。