手紙が届くのを、もう何日も待っている。出されてもいないであろう手紙を。プレゼントが届くのを待っている。包装もされていないであろうプレゼントを。中身のない自分のことを、掘り起こしていけばきっと凄いんだと信じていて、だから私のことを素敵だと言ってくれる誰かを此処でずっと待っている。現れもしないであろう誰かを。

 

期待はずっと棄てられずにぐしゃぐしゃに握り締めたままになって、もし今その拳を開けてみたらとっくに指の間を零れ落ちて何にもないのかもしれない。それでもずっと、大切に握り締めている。

 

キラキラした世界には憧れるのに、誰かに見て欲しいわけでも対抗したいわけでもない。

偽物だって本物だと信じているけれど、本物だけをずっと探している。